今さらながらF1種についてまとめ(動画あり)
種のことについては、よくご質問を頂きますので、まずはF1種について、改めて簡単にまとめておきたいと思います。
F1種は「パパ固定種」と「ママ固定種」の異なる固定種どうしで作った子ども、いわゆる雑種です。
植物には雑種強勢という性質があり、両親の長所を受け継いだ子どもができます。大きさ、形、耐病性、味などです。孫はそうはならず、長所、短所、いろいろな性質のものが出てきます。
アイアイでは、アブラナ科のいくつかの野菜を近くで栽培すると、翌年小松菜白菜、水菜小松菜、白菜チンゲンサイなど、いろいろな形質の野菜が自然生えしてきます。
母親が大事なようで、母親がベースになって、どちらの味が強く出るか決まっているようです。
考え方からすればそれらもF1種です。
人為的なものではなく自然交配、自然交配のものはなぜかよく育つし、美味しいです。これも雑種強勢の性質でしょうが、これを食べたくないとは思わないですよね。
アイアイ加藤も食べていますし、お客さんにお届けもしてきました。
なぜF1種が危険視されているかというと、
「販売されているF1種の多くは、F1種の親を作る過程で、人が不自然な作り方をしている」
という認識をして頂ければと思います。
具体的には、「雄性不稔」「自家不和合性の利用」などです。
F1種のには「除雄」という作り方があり、人が手作業でママ固定種の雄しべを抜いたり、雄花を除いたり、ママ固定種が自家受粉しないようにして、パパ固定種と受粉させます。
雄しべや雄花を除くのはかわいそうではありますが、元々の固定種を交配させているだけ、とくに危険であるようには思えません。
ママ固定種を作る際に特殊な交配を繰り返し、雄しべの働かないママ固定種を作る、これが雄性不稔種です。このママ固定種にパパ固定種を受粉させてできたのが「雄性不稔によるF1種」です。
ママ固定種に雄べの働きはありませんから、除雄の作業をすることなく、隣同士で作っておくだけで、勝手に受粉してくれます。除雄の作業は、人手がかかり大変ですから、労力も減らせ、人件費も抑えられます。
この雄性不稔種をママに持つ野菜を人間が食べ続けることにより、男性不妊にもつながるのではないか、と言う指摘がされており、これがF1種が危険と言われている理由です。
雄性不稔種にはミトコンドリア遺伝子異常がみられる、一方で男性不妊の方の精子を調べてみると同じようにミトコンドリア遺伝子異常がみられる。これが繋がっているかどうかは、調べる人がいないのでわからない、だが当然不安は感じる、というところです。
「F1種=雄性不稔種」と捉えている方が多いようですが、必ずしもそうではないものの雄性不稔が増えているのは確かなようです。
「自家不和合性の利用」と言うのは、何代も自家受粉を繰り返すと自家受粉をしなくなるという、アブラナ科の特長を生かしたもので、自家受粉しなくなったパパ固定種とママ固定種を近くにおいておけば勝手に受粉する、というものです。
ただ自家受粉しない親をたくさん作るのは大変な作業ですから、自家受粉しなくなったものを強引に自家受粉させて
「自家受粉しない性質」のものを増やすことを考えた。
その際にハウス内の二酸化炭素の濃度をあげ親野菜の生理を狂わすなど、具体的な危険性はわからないものの不自然なことをしているのは気になるところです。
あくまでこれらは基本的なことを書いただけで、実際はかなり複雑なことが行なわれているようです。
F1種以外にも遺伝子組換え種や放射線育種があり、考え方としてはそちらのほうが危険度が高いようにも思います。
※あくまでアイアイが自分で調べた限りの情報をベースに書いています。
※実際の野菜がどうかについては、「どれが雄性不稔F1種?」をご参照ください。